ちょっと錆びた裁ち鋏を研ぎました。

裁ち鋏 研ぎの受付後 研ぎ

裁ち鋏(たちばさみ)は、
職業によっては布以外のものを切る方もいらっしゃいますが、
一般の方にとっては、布を切るための鋏だと思います。

そのため、使用頻度がそれほど高くなく、
「久しぶりに使おうと思って出してみたらサビていた」
というご相談をいただくことも少なくありません。

今回は、そんな裁ち鋏の研ぎ直しのご依頼です。


切れない原因は「刃」だけではないことも

裁ち鋏が切れなくなる原因は、
必ずしも刃が鈍くなっているだけとは限りません。

たまたま、セロテープを切ってしまっりすると、
刃先にテープのノリが残り切れなくなります。

錆や汚れが支点部分に溜まり、刃がうまく噛み合わない。

落としてしまったり、固いものを切ってハサミの歪みが出てしまったり。

そのため、当店では研ぐ前に、
汚れや具合の悪くなってきれなくなったハサミは、
可能なら支点のネジを外して分解し、
汚れやサビを清掃します。

せっかくなので、ついでに刃のくすみも可能な範囲で落としてから、
研ぎ作業に入ります。


サビの状態による切れ味の違い

サビと一口に言っても、状態によって仕上がりは大きく変わります。

表面に薄く付いたサビ

磨くことで目立たなくなり、
金属へのダメージも少ないため、切れ味も比較的良好に戻ります。

清掃後も黒く曇って見えるサビ

この場合でも、
ティッシュを問題なく切れる程度までは回復しますが、
サビ跡は残ることが多いです。

深く入り込んだサビ(虫歯のような状態)

金属の内部までサビが進行している場合は、
コピー用紙の様にハリのある紙やお菓子の袋などは切れても
ティッシュ、布、ビニール袋などといった、
柔らかいものは切れない鋏になってしまうことがあります。

同様に固いものを切ろうとして、刃の内側に傷が入ってしまった場合も同様です。


今回の裁ち鋏の状態について

今回お預かりした裁ち鋏は、
写真では清掃後もサビ跡が目立つように写していますので、
状態が分かりやすいかと思います。

裁ち鋏 磨く前の支点部分

刃の噛み合う部分にサビの跡はありましたが、
ティッシュが切れる状態まで回復できると判断し、研ぎ直しを行いました。

裁ち鋏 磨き研ぎ終わり支点部分
裁ち鋏 磨き研ぎ終わり

ただし、
サビによって変色した部分は、
通常より刃先が弱くなっている可能性がありますので、
切れ味の持ちは短くなるかもしれません。


裁ち鋏を長く使うためのお手入れ

裁ち鋏は、使い終わった後のお手入れで状態が大きく変わります。

  • 使用後は手の油や汚れを拭き取る
  • ハサミ用のお手入れ油やミシンオイルを薄く塗り表面をコーティングするイメージで拭き上げる
  • 湿気を避けて保管する

このひと手間で、
サビの発生をかなり防ぐことができます。


今回は、このような状態の裁ち鋏の研ぎ直しのご依頼でしたので、
記事としてご紹介させていただきました。

同じように
「久しぶりに出したら切れない」「サビが出てしまった」
という裁ち鋏や切れなくなった刃物がありましたら、
お気軽にご相談ください。

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