金沢職人大学では、3年間の授業の中で藁を全て手で縫って畳床を作る授業があります。
私は8期の生徒として通い手床の授業を受け作成しましたが、
1期からのデーターを踏まえて毎期バージョンアップしてます。
今回2月22日〜25日お昼までが10期の授業になります。
基本的なことは一緒ですが、
私がやった時とは違う部分もありますし、自分が一生懸命に作るという立場から、
客観的に見る立場に変わる事により、気が付く所というのがありますので、
今回もお邪魔させていただきました。
初日は、菰編みしたものを整え層に重ねて行きます。

事前に菰編みした材料を切り揃えたりして層状に並べて行きます。

層状に重ねた後は長て部分は下の層の藁を折り返して縫います。

下の画像は、その藁を折り返して縫った後、
何百針と縫う作業に突入してます。
大体1列1時間程度はかかる所を13列縫っていきますが、
中央部分になるにつれて縫いづらくなっていきます。

その長い間縫っている時間に私たちは、
この手床を使った畳が設置されている金沢湯涌江戸村へ見学に行って来ました。

雪に埋もれ雰囲気良かったです。

手前が永井家、奥が旧平尾家
下の画像は旧平尾家の1部屋です。

下の画像は、「手縫いの畳が使われている」と説明のある、旧山川家です。

旧鯖波本陣石倉家住宅の中に有った厚畳

近くには、竹久夢二と金沢のつながりで、湯涌夢二館がありましたので、
見学して来ましたが、この1枚だけでした。w

夕方、職人大学の外は、また雪がシンシンと降っていました。

その中、生徒さん達は一針一針と夜遅くまで縫い進めていました。
3日目の昼前に、縫い終わり、裏面に、たっぷり霧を吹いて足で踏んで慣らしていきます。

締め始めは、両側の口部分の糸から締めていきます。
その後は、縫った順番に締めていきます。
締めていくと縫った糸が締めた分、出て来ますので途中で糸を抜いて繋ぎ直して締めていきます。

荒締めが終わる頃にはたっぷりの水分も馴染んでしまいますので、
荒締め終わったら手床の柔らかさを感じて一休憩
この後、表に返して厚さを見ながら真締めします。

表面での真締めが終わり、最後に裏面にして、
一番最初に締め始めた口を締めて、締めは終了です。
継ぎ目の藁や框も膨らまない様に縫い止めしてから、
畳として使える様に直角に切り落として完成です。
一足早く完成した方のをパチリ
こちらが表面(上面)になります。

完成した畳はコシがあるのに柔らかく、踏み心地は最高です。
藁から畳床の完成まで、前年の夏終わりから藁をスグって菰編みして用意し、
今回の2月の授業中の延4日で重ねて縫って締めて畳床に仕上げました。
何日もかかりますから作っている者にとっては完成は一入です。
この寒い時期に手床の授業を行うのは、
糸を締める時には冬でもストーブを消して作業しても、
汗がボタボタ垂れるほどだからなんです。
今回は1枚を作る授業ですが、
部屋として使うにはその枚数が必要ですので、
この手床を作っていた時代の畳床職人は、本当にすごいと思います。
最後に、
他の人が作業をしている所を見ると
あの時は、もっとココを気をつければ良かったのかな?とか、
この工程には、こういう意味が有ったんだと毎回繋がって、気が付く所が増えて来ますので、
また次回も見学できる様なら行きたいと思います。
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