畳解体の授業

手床解体勉強会開始前の説明中 ブログ

前々から東京の畳学校に通った皆んなにも体験していただきたいと思っていた事を
畳学校の小曽根校長先生と東京都畳工業協同組合青年部によって実現することが出来ました。
私も東京の畳学校の卒業生ですが、
その後、
校長先生と金沢職人大学の同期になって、補助講師で参加させていただきました。

畳床の解体授業

今回、解体する畳床は、
現在作られている機械床と、全て手で縫い上げて作られた2種類の手床、
合計3枚です。

○機械床ーー並べた藁を製畳機で連続的に縫われて出来てきた物を1畳の長さでカットした物
○手床ーーー藁を層状に並べ、人の手で全て縫って足で踏んで糸を締め上げて作った物
○手回し床(一畳仕掛け)ーー1畳分づつ藁を層状に並べて、手で回して縫う機械で縫い上げた畳床(この記事の下の部分で以前解体した畳床)

特徴や仕組みを見てもらいたいので、
まずは、解体にを行うにあたって説明や注意事項

こちらが手床の断面図です。

手床の断面

作る地域や作り手により違うのでその違いを見つけるのも楽しいです。

その後作業に入りました。
手床1枚は、前年に行ったヘロヘロの畳を締め直し、ピーンとなった畳床の裏締めした糸を切り、
その部分を取り除いてからのスタートになります。

下の画像は畳床の裏面(下面)になります。

裏締めした畳の裏締め部分解体

これは、裏締めの当てゴザを取り除いた所です。
薄い所に藁を一並べした部分です。

裏締めした畳の当てゴザを剥がしたところ

その一並べした藁を取り除くと、
手床(てどこ)の裏面(下面)の縫った糸が見えます。
昔の床作り職人が一針づつ縫った跡が規則正しく並んでいます。

手床を解体行う前に裏面で糸のかかり方を確認中

自分たちが作業した裏締めを解体して改めて裏締めの効果などを再認識できました。

下の画像の畳床は、もう一枚の縁無し畳の中身の手床の上面になります。
畳の角が立つ様に畳床の四方に頭板という木の板が縫い付けられていますので、
それを取り除き畳床の解体をしていきます。

畳床の凸凹を直すためのムラ取りの藁がたくさん有ったので、
取り除いた後です。

畳表などを剥がし角をしっかりさせるための頭板を外したところ

表面は畝(うね)を何列も規則正しく縫われていますので、
その縫った畝を筋と呼び、その筋の数で〇〇通りと言います。

この筋の数や縫い方で畳のグレードが変わりますし、
地域や作る人によって、作り方などが違うので、
解体すると分かる事が沢山あります。

下の画像の左下から右上に向かって、
並行に一定間隔で規則正しく糸で縫われた列を筋(すじ)と呼びます。
そして、
この手床の種類は「筋縫い床」といいます。

筋縫いの畝を縫った部分の画像

下の画像の奥の畳は3枚目の現代の藁床になります。
今回は機械床と分別してます。
作りは藁床の産地の記事で写っている製畳機で作られますが、
今回の畳床は切り藁が比較的多い機械床でした。

手前の畳床が手床になります。
畳床の色の違いは長年使われていた埃や藁の経年劣化などでこの様な色になっています。

畳床解体が始まりました。

一層づつ丁寧に剥がし構造を確認、各々考察して記録していきます。

畳床解体は1層づつ剥がします。

この色の濃い色の畳床の藁を10センチ程度に切り刻んだ切り藁の層から、
タバコの吸い口部分が出てきました。
これは製造年代を絞る事のできる手がかりの一つになります。
このタバコは山櫻で、銘柄自体は、
西暦1904年(明治37)年6月29日〜西暦1911年(明治44年)迄の製造の物だそうです。
なので、混入した事を考えると約120年位前の畳床だったと思われます。

下の画像の物も入っていました。
情報は見つけられませんでしたが、左側は山櫻のパッケージではないかと想像してます。
右側の黄色い糸がくっついたものは全く分かりません💦

畳の中から出てきた和紙の残骸

一畳仕掛け床・手回し床の解体

こちらは、
小曽根くんと一緒に今年6月に解体調査した時のものです。
これは、1畳分づつ藁を並べて手で回して動かす機械で縫った畳床ですので、
一畳仕掛けとか手回し床と分類してます。
手床の次の時代のものになりますが、
その機械は私は見たことがないんです💦

端折りますが、
畳床の上面の端に琉球表が5センチほど入っていました。
(画像上が比較として並べた琉球表です。)

一緒に縫い込まれている口ゴザは琉球表の様なので比較画像

化粧配とか肌薦とかの一番上の層です。
これは薦では無く綺麗に藁が並べられていました。

化粧配

これは横手配ですが、
筵(むしろ)として編まれた層でした。

藁が藁縄で編まれている胴薦

蛙又編みという次の束とくっ付けた編み方です。

胴薦は蛙又編み

その下のそうには切り藁層がありますが、
その下には、両方の框に穂先を中に向けて藁束が配置されています。

たねのみ?たねもみ?たねごみ?

その層を取り除いていきます。

下配

裏薦という最後の層になり、ここに「かいごも」が縫い付けられています。

畳床の一番下の部分の裏薦

これが「かいごも」になります。

かいごも

この様に分解していきながらその畳の事、各層の事を記録していくのが分解調査となります。

今回の授業は
細かい調査よりも、3種類で床の作りの違いを知ってもらう事が出来たと思います。
そして、その違いで推測や想像でさらに奥深く思う所も出たのではないかと思った
藁床解体の授業でした。

記事の順番は前後してしまいまいましたが、
この授業の後日に、
宮城県へ畳床の体験勉強会に、
小曽根くん、八巻くん、西田くんと4人で行き、とっても楽しく勉強になりました。

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