刃物研ぎをしていると、本当にいろいろな刃物を持ってきてくださいますが、
時々、「高枝切り鋏って研げる?高枝切り鋏が何か全然切れないんだけど…」
というご相談です。
今回も、長い間使わずに放置していたという、
伸縮タイプの高枝切り鋏をお持ち込みいただきました。
見た目は動くけど、切れない状態
まずレバー部分のロックを外して確認してみると、
ハサミ部分は一応開閉します。
ただし、
レバーを握っても力が伝わらず、枝がまったく切れない状態。
本体の伸縮機構も問題なく動いているため、
一見すると原因が分かりづらい症状でした。
原因はロック機構の不具合
詳しく確認したところ、原因は図の① ロック機構部分でした。

伸縮タイプの高枝切り鋏には、長さを固定するためのロック機構がありますが、
今回の鋏は2つのロックピンで固定する仕組みになっていました。
そのうちの1つが、汚れの影響でピンがしっかり穴に入り込まず、
完全にロックできていない状態だったのです。
ロックが甘いと、力が逃げてしまう
ロックが完全にできていないと、
レバーを握っても接続部分がしっかりと固定されないので、
力が逃げてしまい、鋏はかろうじて開閉するものの、
「切るための力」が刃に伝わりません。
そこで、
ロック部分を清掃・注油し、
ロックピンがスムーズかつ確実に入るようにしました。
すると、
鋏は通常通りしっかり開閉できる状態に戻りました。
実は多い、ロック不良が原因のケース
実は、
伸縮式の高枝切り鋏がうまく動かない原因の多くは、
使用して屋外や倉庫などで保管なので、このロック部分の汚れなどによる可動不良が多いです。
メーカーや形状はさまざまですが、
「切れない」「力が入らない」と感じた時は、
まずロック機構が確実に可動・固定されているかを確認してみてくださいね。
刃を外して清掃・研ぎ作業へ
シッカリ可動出来る様になりましたので、
本体から刃の部分を取り外し
樹液やホコリでこびり付いた汚れを落とし研ぎます。

このタイプの高枝切り鋏は、
- ② 支点ネジ
- ③ 開閉ロッドとの接続部
を外すことで、上側の刃が外れる構造になっています。
②の支点のネジは、
ボルト側を固定してナット側を反時計方向に回して外し、
その後、ボルトを緩めて取り外します。
今回のものは、③も同様にナットを外すとボルトが抜けるタイプでした。
④はネジを緩めると外れ、
ナットは本体にハマった状態ですが、ポロリと取れます。
これで、顎部分が完全に外れます。
仕上げて、作動確認
あとは、
各部の汚れをしっかり清掃し、
刃を研いでから元通りに組み戻し、
作動確認と切れ味チェックをして作業完了です。
今回も、
研ぎ終わってから
「これ、意外と知らない方が多いかも?」
と思い、記事にしてみました。
研ぎ完了後の写真だけになってしまい申し訳ありませんが💦
同じような症状でお困りの方の参考になれば嬉しいです。




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