襖の張替の時って..

今回のお宅は間仕切りと押入、天袋の張り替えのご依頼でした。
もうかなり年数が経っていたので紙は触るとパリって裂けてしまう位でした。

古い襖紙を全部剥がし、中の補修から行いました。
今回は、襖の補修の一部をお見せします。
作業しながら写真撮ってないので、
イメージ伝わらないかと思いますが、
みてみてください。

古い襖紙って紙に力がなく簡単に破れちゃうんです。

紙が裂けてしまい、切れ目が広がらない様にと糊で補修してありました。
よくあるのですが、紙が劣化しているとすぐに、
また裂けてしまうので、
その際は張り替えをしてしまった方が良いかと思います。

今回は、補修が下地までノリがついていなかったので、
古い襖紙と茶チリを剥がした際、
下地まで剥がれる事も多くなく、
助かりました。

古い襖紙を剥がしてみると芯材に穴が空いている事もあります。

下地までガッチリついてしまっていてしまうと、
直す為に下地補修費をいただく事も多々あります。

気になってしまった、芯材の穴をチョット補修しました。

チョコチョコなおしているので、漉き合わせという紙の切れ端で塞いでます。
物をぶつけて開けてしまいそうな襖の下方や大きな穴は丈夫な紙で補修、
上方や負担の掛からなそうな穴は障子紙や雲華紙、茶チリと、
使っています。

襖の穴は全部ではないけど気になる穴は直してます。

襖の引き手の穴が裏面まで抜けていることがあります。
工場で作られると多いのかもしれないです。
そんな穴が私は気になるので、
押入の裏面の穴塞いでしまいます。w
(必要ないと思いますけど^^;)

引き手の裏面です。(雲華紙を張る面)
引き手の穴を漉き合わせの切れ端でペタリ。

引き手裏の穴を漉き合わせ(丈夫な紙)で塞ぎました。

表面側から見るとこんな感じです。

うちで扱っている、漉き合わせは紫色なんです。
引き手表面側

小さな穴も気になったので、雲華紙の切れ端で
チョットペタリ

下の画像は、襖を引き上げ時に建て付け確認をした際、
上部が左側の柱より1センチほど離れていて、
隙間が空いてました。
襖上部に余裕があったので、
隙間の反対側の下部に、
5ミリほどの木の板を貼り付け、
斜めに鉋で整えます。
これで、襖が隙間側に傾くので、
約1センチの隙間が無くなります。
私は古い紙を剥がしちゃう方なので、この様に下地で調整する事多いです。
(現場で最終調整しますけど。)

襖の傾きを直す為に襖下部に板を足して、削って調整。

画像は左側が襖の下になります。
手前を約5ミリ丈を出して、
奥側まで斜めに削ってます。

この後は、両面茶チリ張って下張り完了して、
襖紙を張ります。

襖紙は外周に濃いノリ、そのほかは、薄い水糊を使い、下張りの茶チリとくっける様にします。

最後は、襖の枠ですが、
ちょっと物がぶつかったりとハゲてしまっていることが多いのです。

襖の枠の色の剥がれ部分

枠を拭き掃除して組み立てるのですが、
ハゲた部分をチョイチョイとマジックですが塗っておくと傷も目立たなくなりますので、
合わせて行っています。

酷い時は交換になりますが、1箇所だけ酷い場合は、
リペアの練習で直すこともありますけど、
通常はこの画像程度の補修です。

襖の枠に色を塗って目立たなくします。

こんな感じで襖の補修してます。

私が思うのは、
襖は、調湿作用があるので、湿気を吸ったり吐いたりしているうちに、
空気の汚れや匂いも同様に取り込んでいます。
本当ならその紙を剥がすよりも、
新規にしてしまった方が良いかと思いますが、
張り替えのご依頼をいただいた時は、
私は出来るだけ古い紙は剥がしてから作業してます。

ですので、他のお店の様に早く納めることができませんので、
ご理解頂ける方だけ、お受けしております。

襖の張替は、お店により考え方や作業方法が違いますから、
作業の内容は、多岐になります。

次回は、出来た襖の記事アップいたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました