上の画像は厚畳の裏面です。
曲がり針でくけ縫いし糸を隠してしまいましたので、
裏面と分かる様に畳表の山の途中から始まる様に、
畳の目に乗せてません。
一般的に出回っている畳床の厚さは、
機械で縫ってありますので、
藁床の場合は、50ミリとか55ミリですし、
ボード床と言われる新建材の畳床は、
インシュレーションボードとポリエスチレンフォームと
クッション材や調整材などで希望の厚みで作ってもらいます。
しかし、厚い畳を作る場合は、
畳床を作る機械では対応できないので、
畳屋さんが複数の畳床を針と糸で縫い合わせたりして、
ちょうど良い厚みにします。
今回は新規で88センチ角で「高麗白大紋」(こうらいしろだいもん)で、
上面1紋、側面2紋の厚い畳のご依頼でした。
ご要望を聞くと、
今使っている物は、重いので軽い物が良いとの事でした。
本来の藁床に板を入れて柱を立ててとなるとやはり重いので、
ボード床というインシュレーションボードとポリエスチレンフォームの組み合わせで、
畳の芯材を作りました。
下の画像が床材の組み合わせた状態です。
上から
畳表、
ケナフボード(クッション材)
インシュレーションボード(木質繊維)
ポリエスチレンフォーム(断熱材)
インシュレーションボード(木質繊維)
の畳床と
上面のインシュレーションボードを抜いて
ポリエスチレンフォーム(断熱材)
インシュレーションボード(木質繊維)
上面の畳表を抜いた、
畳床の芯材を針と糸で上下を縫い締めして厚畳の床を作ります。
この様に、ボード床でしたら組み合わせで行いますし、
藁床の場合は、四方板を入れた作りの畳を上下に重ねます。
上の畳と下の畳の間に畳表を入れて厚み調整し、
柱を立てて縫い合わせて厚畳の床を作ります。
藁床よりも薄い場合は、
畳表を縫って芯材にすることもあります。
藁床と畳表の芯材はまた別の機会にでも。
そして出来上がったのが、
こちらです。
本式ではなく、略式と本式造作の混合で作成しました。
ちなみに、
この様な畳で、
しっかり本式で作られた物は、関東でも納められた物はありますが、
私が張り替えを承った物は
色々な作り方で形になったものばかりですので、
張り替えは中を見る事が出来るので楽しいです。
安価に作られた物は床の修理に手間がかかる事が多いので、
ご了承頂ければと思います。
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