この四天付き拝敷きは、一般の方には馴染みのない物だと思いますが、
使い方では、お坊さんが仏様に向かい、
お経を唱える時、座る下に敷かれています。
四天とは、四天王のことで、
東西南北の四方を守護する四神のことです。
東・・持国天(じこくてん)
西・・広目天(こうもくてん)
南・・増長天(ぞうちょうてん)
北・・多聞天(たもんてん)単独で信仰されるときは「毘沙門天」と呼ばれます。
四天における紋の数については、
7・5・3というのは人生の厄年を表す数字で、
その厄を払うために四天をつけています。
しかし、
場合により、上記以外の数で四天を表しても役目に支障はない。
上記は、TTM Clubのホームページより抜粋
四天付き拝敷きは、
畳表1~3枚程度の厚みで作ります。
そして、
宗派(しゅうは)によっては使わない事もあります。
今回の敷物は、
一般的な四天付き拝敷きなので、
四天の角には、下の画像の様に内側に四角い部分を配置して造作します。
四角の部分の幅が3個、縦が5個、そして外側の2つと合わせて、
幅が5個、縦が7個となります。

この高麗紋縁(こうらいもんべり)という織物は、
よく見ると中の柄が縦横で違います。
製造過程では紋が真円になる様に織られていますが、
実際は製造上のさまざまな理由で、
少し縦と横のサイズが違っている事も多く、
時には、気持ち斜めにひしゃげている事もあります。
それを、この様な紋縁のを使った物は、
畳屋の手でその紋縁を修正したりして、
出来るだけ注文のサイズで見栄え良くなる様にと、
作っていきます。
この様な敷物を作るときは真円だと助かりますが、
畳や床間などは、
この紋を調整してどのようなサイズでも、
角の紋が欠けない様に作る事ができるんです。
こちらの物は、関東間サイズ(五八サイズ)
縦5尺8寸(176センチ)×幅2尺9寸(88センチ)
高麗白中紋は1紋は約1寸4分ほどなので、
幅21紋、丈42紋になります。
1つの紋の大きさが、約1寸4分の場合×21紋=約2尺9寸4分と計算上はなりますが、
実際の作業は1寸4分×1寸3分半位と約1ミリチョット楕円の丸柄になりますので、
紋をちょっぴり調整して作ります。
今回も、縫い方は本式での作成で、
簡単に折りたため、すぐに収容出来る様に1枚厚で作成しました。
また、折りたたむ際、紋縁の下に縫い付ける縁下紙も、
邪魔にならない素材にて作成しております。
この四天付き拝敷きは四天を付ける事で、
格段に気を遣う部分が出てきますので、
毎回勉強になります。
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