今回のお宅は昨年11月頃に畳を施工して障子も頼んでくださったのですが、
襖の仕事が溜まっていたのと、
障子の洗いと補修で数日預かるので、
寒いからとこの時期まで待っていただきました。
この時期は洗うと乾くのが遅いのですが、
湿度の高くなりやすい時期なので、納めた後に湿度変化で、
紙が伸びたり縮んだりをゆっくり繰り返すので、
私は一番おすすめの時期かな?と思っています。
まあ、綺麗にしたい時が、お勧めの日なんですけどね。^^;
今回のお宅は、8畳に床の間があり、6畳との間続きのお部屋になります。
8畳間の床の間脇には、書院の障子、
1間半で4枚の横引の猫間、
2間で4枚の擦り上げの猫間、
6畳間は1間半で4枚の雪見そして土間の仕切りが小さな障子が4枚入った建具です。
まずは、書院の障子
骨めちゃ折れていて補修もガタガタなので、
平になる様にと補修しましたが、
骨一部無くなっていて補修しきれなかったです。
下の画像は、書院の障子が少し写っていますが、
横引きの猫間障子です。
私はこのお宅でしか見た事ないのでチョットググったら関東では良くあるみたい?です。
右側に写っているのが普通の猫間障子ですが、大阪猫間と呼ばれている様です。
その擦り上げの障子がガタガタなのでよく見たら竹のバネ?が
両側2個づつの4個入るタイプですが片側2個しかついてないので、
竹を削って作ろうと思ったけど、取り付け部分が壊れている所が多かったので、
無理と判断して市販の障子バネを使用してしまいました。^^;
障子バネは何種類かありますが、廃盤も多く現在手に入る物はちょうど良いものがなかったりですが、
なんとか在庫の物でなんとか納まりました。
以前は猫バネと書いてあった事もありますけど、
障子バネと言うのはこれです。
今回は下のタイプのステンレスを使いました。
両側が竹バネタイプなので、普通にどちらかに寄せて外すタイプではなく、
溝の中の木を外してから、取った側に寄せて外すタイプなんですけど、
その木も無くなっている物もありましたので、それらしい木を削って納めました。
(画像なくてすいません。)
荷物があったので、廊下からの画像です。
そして、6畳間の雪見も荷物があったので廊下側から
障子下部の木の板が薄い1枚板でとても貴重な物なのですが、
ほとんど歩行器がぶつかり破損してしまい、
交換時には、それなりのちゃんとした一枚板の物にしてもらったそうです。
板の名前聞いたけど忘れてしまいました。^^;
こちらは、土間側の建具です。
欄間サイズが1つに4枚はまっています。
建具や鴨居が狂っていて建具同士でするので削れてしまった部分を
ステインで目立たない様にと着色しました。
下の画像は、土間側からです。
築90年と言われているので、
大分破損して補修などしてますし、
この建具はVレール仕様に変更されていますが、
お時間もいただけましたので、
補修させていただいたりと、
とても貴重な仕事をさせていただきました。
当時の建主と棟梁などの粋な考えと遊び心そして、
それを実現していた仕事を見る事ができた事に感謝です。
ありがとうございました。
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